大江戸今昔めぐり瓦版

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愛宕神社の「出世の石段」を登る

今回は港区にある愛宕神社周辺を街歩きしてきました。

 

オフィス街に囲まれて鎮座する愛宕神社

この神社へ上る石段は出世の石段と呼ばれています。

 

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さっそく、古地図で愛宕神社の周辺を確認してみましょう。 

 

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古地図には愛宕権現社」と書かれていますね。

その周りを囲むように緑色の山や階段も描かれています。

御府内八十八ヶ所の札所など寺院が多く集まった場所のようですね。

 

出世の石段の由来は、講談の定番『寛永馬術』で伝わっている、讃岐丸亀藩の家臣 曲垣平九郎の逸話にあります。

  

徳川家光公が将軍家の菩提寺である芝の増上寺に参詣した帰り、愛宕神社で咲いている梅を所望した家光公のため、曲垣平九郎が馬で石段を上り下りして梅の枝を献上したことから、曲垣平九郎馬術の名人として名をあげ、これにちなんで、この石段は「出世の石段」と呼ばれるようになったそうです。

 
実際の石段を間近で見てみると1段の高さが20センチ程と思ったより高く、86段ある石段を馬に乗ったまま上り下りするなんて到底無理だと思いましたが、明治・大正・昭和の時代に各1人ずつ、成功されている方がいらっしゃいました!

 

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石段を上ったところにある愛宕神社は、徳川家康公の命を受けて、1603(慶長8)年に江戸の防火・防災の守り神として創建されました。

主祭神は火産霊命(ほむすびのみこと)という火の神で、防火・防災のほかコンピューター関係や商売繁盛、縁結びなどにご利益があるそうです。

 

「名所江戸百景(21)芝愛宕山」にも描かれているように、江戸時代には境内から東京湾や房総半島まで見渡せたようです。

 

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今は周辺が高層ビルの建つオフィス街になっていますが、豊かな緑に囲まれて四季を感じる場所であるのは変わりありません。

 

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出世の石段の上からの景色

 この急峻な石段を上るのは躊躇するという方には、石段から少し離れた北側に設置されたエレベーターを使って神社を訪れることができます。

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実は、愛宕神社のある愛宕山には、山の証である三等三角点があり、自然地形の山として東京23区内で一番高い山(標高25.7m)なんです。

 

また、エレベーターの横には愛宕山をくり抜いて作られた愛宕隧道(1930年竣工)というトンネルがあり、ここは東京23区内で唯一の山岳トンネルだそうです。

 

 

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高層ビルが林立する都会の真ん中に「山岳」と名の付く建造物があるなんて!

 

街歩きと山登りを両方楽しめる愛宕山周辺を訪れてみてはいかがでしょうか?

 

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