大江戸から少し離れて
こんにちは!
10月に入り、町にハロウィンの飾りが増えてきた今日この頃。
ハロウィンといえばお化け!ということで、江戸時代の日本のお化けについて調べていると、気になるお話を発見。
怪談乳房榎。乳房+榎という不思議なネーミングのこの怪談。
どんなお話なのでしょうか?
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怪談乳房榎は、牡丹灯篭の作者でもある江戸時代末期の噺家、三遊亭圓朝の作品です。
絵師として活躍していた菱川重信の妻・おきせに惚れた磯貝浪江という浪人は、おきせに自分と関係をもたないと子供を殺すと脅して無理やり関係をもちます(最低ですね)。
その後おきせを独り占めしたいと思った浪江は、夫である重信を惨殺してしまいます。
ショックで乳の出なくなったおきせの元に死んだ重信の亡霊が現れ、乳を出す不思議な榎が松月院にあると教えます。その榎の乳で育った赤子はすくすくと育ち、やがて父を殺した浪江を討ち仇をとるというストーリーです。
江戸の人たちは敵討ちの話や人情話が好きですよねー。
このお話も瞬く間に江戸庶民に人気のお話となりました。
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古地図ブログ執筆を何回もしていると、気付くんです。
「広くきれいな道があるところは江戸時代には何もない」
このあたりも例にもれず、村or田んぼです。
駅から20分ほど歩くと見えてくる赤塚諏訪神社に寄り道。
下赤塚村の鎮守社であったそうで、堂々としたたたずまいです。
こちらに伝わる特殊神事「田遊び」は国の重要無形民俗文化財です。
田遊びとは旧正月にその年の五穀豊穣と子孫繁栄を祈願し神に奉納する行事だそうで、
稲作の作業内容を唱える言葉と所作を田の神に奉納します。
また、この神社に生えている二本のイチョウは夫婦イチョウと言われ、子孫繁栄などの信仰と結びづいて人々の心の拠り所となっています。平成6年に板橋区登録文化財の天然記念物となりました。
縁結びという言葉に目がない私、一心不乱にお参りです。
そしてそこから歩くこと10分ほど。
やっと松月院に到着です。とっても広い!
本殿も立派ですし、幼稚園と併設してあるため子供たちや地域の方との交流もされており、開かれた雰囲気です。
江戸時代には徳川家康に認められ、またその後歴代の将軍からも保護を受け発展しました。
現在でも松月院は「板橋十景」に選ばれるなど、板橋区内でも由緒ある寺院としてその名が知られています。
中にいらっしゃった方にお尋ねし、乳房榎の場所を教えていただきました。
江戸時代より敷地が狭くなった関係で、現在は松月院の外に記念碑があります。
松月院前交差点の近くの道沿いです。
乳房という名前からわくわくして読んでくださった読者の方、申し訳ありません。
乳が出たのは樹です。きれいな女性はこのお話には出てきません・・・
このあたりはほかにも神社や仏閣が多いので、見学してまわるのはいい運動になりそうです。
涼しくなってきたこの季節、大江戸からちょっと足を伸ばしてみませんか?
それではまた。